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「アメリカン・バイオレンス」




「アメリカン・バイオレンス」
解説:  いつの世にも作り続けられる残酷ドキュメンタリーの一種で、日本がイニシアチヴを取って製作された日米合作作品。もっともイタリア製のようなヤラセや過剰な残酷シーンは無く、“現代アメリカにおける暴力”というテーマにそって、ケネディ暗殺事件やレーガン暗殺未遂事件、その他多くの暴力事件を映し出す


画像は「アメリカン・バイオレンス」のチラシ2種とパンフです。
本日は金曜日なので、いつもはホラー映画を紹介しているんですが、ショック度という意味で、少し変わった作品を紹介します。
今、上映中止騒ぎになっている「ザ・コーヴ」に代表されるショック・ドキュメンタリー。「残酷モンド映画」ってジャンルなんですが、私が読んでいる本に、その定義が書いてあります。「衝撃的な映像を提供しようとするあまり、事実を伝えることは二の次になってしまっているドキュメンタリー」・・・だそうです(汗)
このジャンルの作品は、へたなホラー映画よりも大ヒットを飛ばす事が稀にあり、私のリアルタイムだと、「グレート・ハンティング」や、「ジャンク」などがありました。
「ジャンク」なんて、事故などで変わり果てた人間の死体映像がメインなんで、今のグロサイトと中身は変わらないんですが、当事は情報・映像が少なかったので、飛行機の墜落事故の死体映像にはドン引きしたものです。

「アメリカン・バイオレンス」は、80年代に入って公開された映画で、大劇場で公開されたんですが、「レーガン暗殺未遂」など、取り扱っている中身が私には地味に見えたので、劇場鑑賞はスルーでした。ところが鑑賞した人の評判が凄く良かったんですね。
私的に気になる作品だったので、数年後のテレビ放映を録画して鑑賞したんですが、いまだにこの作品の衝撃を超える残酷ドキュメンタリーに出会った事がありません。

前半は、アメリカの銃社会の現状を捉えた映像が網羅されているんですが、銃の威力・驚異をまざまざと見せつけられます。同時に、70年代の映画辺りから描かれてきた、アメリカの闇・病んでいる部分の描写がダイレクトすぎて怖いんですわ。
この作品の怖さは中盤以降、加速していき、後半は、当事あまり知られていなかった、シリアル・キラー達のオールスター・ゲームみたいになっています(笑)
チャールズ・マンソン、テッド・バンディ、ジョン・ゲイシー、エド・ケンパー等々。
彼等の事件の猟奇性に驚愕したものですわ。だってね、ジョン・ゲイシーの事件なんて、床下をはじめ、家の中に死体を隠すスペースがなくなり(どんだけ殺しとんねん)、死体を無造作に河に投げ捨てた事により発覚したわけで、この発覚の遅さが怖いんですわ。
しかもジョン・ゲイシーは、表向きは慈善事業などでピエロの扮装で地域では人気者というキャラの凄さ(笑)・・・。母親を殺し、首を切断して、その首に向かって、一晩中、長年の鬱憤をぶちまけていたというエド・ケンパーのインタビューなんかも、フィルムに収められています。

個人的には、ブームタウン・ラッツの名曲「哀愁のマンディ」の元になった事件も印象的でしたね・・・月曜日の朝に、登校する児童に向けて銃を乱射した少女。動機は?と聞かれ、少女は落ち着いた表情で、「だって、月曜日の朝ってすごく退屈だもん。月曜日が嫌いなの」って・・・。私も月曜の朝は嫌いやけどね~(笑)

多分、今だったら規制が厳しいので、この作品のテレビ放映は無理でしょう。その意味では、冒頭に書いた「モンド映画」の定義から逸脱した作品だと思います。・・・アメリカの恥部・心に潜む闇の怖さを、余りある事実の網羅で伝えている作品ですから。
「戦慄」って感覚を、この作品以上に感じさせてくれる作品は、私的には無いですね。

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