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『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』




チラシ2種です。








7月5日、シネ・リーブル梅田の様子です。
トム・ハーディ人気で女性客もチラホラいましたが、基本はおっさんばっかでした。





↑パンフです。







『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』


解説:ロサンゼルス映画批評家協会賞やイギリスのインディペンデント映画賞などで称賛された異色のサスペンス。思わぬ状況に追いやられる中、高速道路を車で走る男の胸中に漂う不安や焦燥を見つめる。監督と製作総指揮に『ハミングバード』などのスティーヴン・ナイトと『つぐない』などのジョー・ライト、主演は『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などのトム・ハーディ。先の読めない展開に加え、車内を舞台にしたトムの一人芝居だけで物語が進む特異なスタイルが斬新。


 


あらすじ:超高層ビルの工事を手掛け、翌日に重要な作業に控えている大手建設会社のエリート社員アイヴァン(トム・ハーディ)。妻と息子たちの待つ家に帰ろうと愛車のBMWに乗り込むと、1本の電話がかかってくる。それを機に、彼は自宅ではなくロンドン方面の高速道路に車を走らせていく。電話で部下に翌日の作業を一方的に押し付け、妻に自宅に戻れなくなった原因を告げるアイヴァン。一刻でも早くロンドンに向かおうとする中、困惑する部下、解雇を宣告する上司、憤怒する妻からの電話を受け取る。


 


 


 


この映画にはぶったまげた。
登場人物は車を運転するトム・ハーディのみ。
そのトム・ハーディ演じるアイヴァンが、車内の電話で会話するのみの映画(爆汗)・・・。
あまりに実験精神旺盛でシンプルすぎるんで、賛否が分かれる事はあるやろうけど、とても絶賛の域には到達できない問題作やね。


 基本会話劇なので、数人との電話での通話のみで、アイヴァンの置かれているインケツのような現状が語られる。
翌日に大きなセメント工事の指揮が控える建設現場の監督アイヴァンは、家族とサッカーの試合をテレビ観戦する予定だった。しかし、出張先でたった一夜を共にしてしまった秘書がアイヴァンの子供を妊娠し、早産する事態になったので、アイヴァンは全ての予定を投げ出し、お産する女性のいるロンドンに向かう事にする・・・という背景が電話を通した会話で描かれる。


 アイヴァンが会話するのは、自分の仕事を丸投げした数人の仕事関係者と、息子と妻、そして自分の子供を出産しようとする女性。
そしてアイヴァンは、映画で描かれるその夜86分の間に、今まで築き上げた全てを失ってしまう。
今が旬の俳優トム・ハーディ。女性ファンが多く、それに甘んじない俳優としての姿勢から私のような男性映画ファンからの人気も高い。
そんなトム・ハーディにまったく関心がない人がこの作品を見たら、どう映るだろうか?という演出アイデアには大きな疑問を感じる。
この作品にあるヴィジュアルは、綺麗な夜の車窓と髭ズラのトム・ハーディの表情のみだから。


しかもこの作品、大きく膨れ上がってしまうアイヴァンが抱えた問題を、「一体どうなるんやろ?」と観る側の気を散々揉ませといて、何一つ解決を見せずに丸投げで終わるんですよ〈爆汗〉・・・。
私の周りのお客さん数人、あきらかにイラついて頭をかきむしり、今にも暴れそうやったで(爆)・・・その気持ちは痛いほど私にはわかった。


 ところがね・・・。
コレ、監督・脚本が、あのB級街道爆進のジェイソン・ステイサムのアクションに素晴らしいハートを注入した『ハミングバード』のスティーヴン・ナイトなんですよね。
会話とトム・ハーディの表情のみで86分を持たせる脚本は人間味があって素晴らしい。
だからこそ、このワン・シチュエーション劇はもったいない気がした。脚本を活かした作劇方法だとは思いますが、映画として考えたときに寂しさを感じる。


 


[2015年、7月5日、『オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分』、シネ・リーブル梅田3にて鑑賞]




 








                        この作品の原題は“LOCKE”
主人公アイヴァン・ロック(トム・ハーディ)のこと。
この作品でひとつ私が自分に題材を引きつけて感じる事ができた部分が、アイヴァンが無人の後部座席に向かって語りかける、自分のろくでなしだった父親の事。
アイヴァンは寂しい女性に同情し、一夜の過ちで女性を妊娠させて全てを崩壊させてしまうんやけど、父親の存在が反面教師になっているので、過ちを教訓として、人として責任の取れる男でありたいという気持ちが強く、その部分が過剰に暴走してしまう。
私も結婚して家庭を持ってみて、私を捨てて家庭を崩壊させた顔も憶えていない生みの父親の存在が大きな反面教師になっている。
だから劇中のアイヴァンの心理は凄くよくわかる。
「俺はしくじってしまったけど、アンタのように自分の過ちからは逃げないぜ」っていうね。
一夜にして全てを失ったアイヴァンに、ホンマに小さな希望の光を灯して終わるこの作品、イギリスらしい知的なカッコ良さがほのかに感じられました。



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