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『君はひとりじゃない』
























本日のシネマート心斎橋の様子、道頓堀の景色と共に。
本日はシネマートデーで会員千円でした。
私が見た『君はひとりじゃない』、お客さん私込みで10人ほどでした。







関西版新聞広告と小型リーフレットです。







『君はひとりじゃない』


解説:ポーランドのマウゴシュカ・シュモフスカ監督がメガホンを取り、家族の死から父と娘が再生していく過程を独自の視点で描く家族ドラマ。最愛の人を亡くした父と娘が、苦悩しながらも深い闇の中から生きる道を模索する姿を映し、第65回ベルリン国際映画祭で、最優秀監督賞を受賞。死との距離について考えさせられる一作。


 


あらすじ:病気で母を亡くしたオルガ(ユスティナ・スワラ)は心も体も病んでしまい、摂食障害に陥る。一方、検察官である父親(ヤヌシュ・ガイオス)は妻の死に虚脱感を覚え、事件現場に足を運んでも死に対して何の感情も抱くことができなくなっていた。彼は日に日にやせ細るオルガを、セラピストのアナ(マヤ・オスタシェフスカ)に託す。


 


 2015年制作のポーランド映画『君はひとりじゃない』、私は93分間引きつけられ、見事に良い意味でヤラれた。


 病気で妻に先立たれたヤヌシュは、その事がショックで心を閉ざし、摂食障害に陥ってしまった娘オルガへの接し方に戸惑っていた。
作品の冒頭で首つり死体と向き合うヤヌシュは検察官で、日々、凄惨な現場で死体と接しているから、味覚も生死観もどこかおかしい。とにかくヤヌシュは人間味が麻痺してるから、精神的に傷ついた娘を遠ざけるばかりなんですね。当然、親子の溝は深まるばかり。

この作品、よくある喪失感に苛まれた親子の再生の物語なんやけど、アプローチの仕方が死ぬほどオモロイわけ。
ヤヌシュはオルガが手に負えなくなって、オルガを精神病院へ放り込むんですが、そこでオルガを担当するセラピストのアンナは霊能力者だった。
アンナはヤヌシュに、亡き妻の霊と交信する事を薦めるんですが、そんなアンナを胡散臭いとにらんだヤヌシュは拒否する。
しかし、霊を信じないヤヌシュの家で、不思議な現象が起こり始める・・・というお話。


 中盤から実にスピリチュアルな展開にもつれ込むこの作品は、怖くない『エクソシスト』や『シックスセンス』みたいな雰囲気になり、非科学的な部分の解釈は見る側におもいっきり丸投げで終わる(爆汗)・・・。
普通なら、肝心な部分が解釈丸投げならば、「バカにするな」と怒りがこみあげてくるんでしょうけど、この作品は言いたいメッセージが明確でブレていないので、漠然とした解釈でも感動できるという凄い映画。


 


[2017年、7月25日、『君はひとりじゃない』、シネマート心斎橋1にて鑑賞]







検視官のヤヌシュ(ヤヌシュ・ガヨス)は、日々凄惨な現場で死体と向き合うのが仕事ですから、ストレス過多で味覚もおかしくなり(何にでも胡椒かけまくり)、死生観も凄く鈍感になっている。








病気で母親を失ったヤヌシュの娘オルガ(ユスティナ・スワラ)は、母親が死んだのは家族に無関心だった父親のせいだと思い込んでいて、摂食障害で痩せていく自分とは対照的に太った父親を毛嫌いしてる。
ヤヌシュは当然娘を愛しているんですが、どう接してよいのかわからない。
手に負えなくなったヤヌシュは、オルガを精神病院に入れてしまう。
自身も妻を亡くした喪失感に苦しむヤヌシュは、極端に娘を遠ざけてしまう。











精神分析施設でオルガの担当となったセラピストのアンナ(マヤ・オスタシェフスカ)は優れているんですが、その手法は霊能力者ならではのモノだった。
霊と交信できるアンナは、ヤヌシュに、「あなたの妻、つまりオルガの母親の霊と交信しなさい」と助言する。
しかし、霊を信じないヤヌシュは拒否。その日から、ヤヌシュの家では霊現象が起きるようになる。
おもいっきり中盤からスピリチュアルな展開になるんですが、そういうのをまったく信じないヤヌシュというキャラを配置していますので、オカルトとまで行かないところが秀逸なんです。
劇中のアンナの言葉、「愛する人は病まない」はとてつもなく深い意味を持つ名セリフ。










この映画はラストシーンが凄くいい。
親子の心がようやくひとつになったとき、アンナの姿はない。必要ないから。
死後の世界の解釈は凄く難しい。酷い世の中では、その解釈がねじれて戦争にまで発展する。
でもね、この作品では、死してもあなたを想う魂は、あなたのそばにいるんだという空気を演出して見せてくれた。

私、若い頃は霊感が鋭かったので、霊体験もそこそこありますが、かといって、死後の世界があるのかと問われれば、この作品のヤヌシュのように否定的に近いです。
死ねば生まれる前、何もない無に帰るだけだと思っています。
しかし・・・。
この作品を映画の外側で私が感じてみると、せめて自分が生きている間は、死んだ者の魂が、自分のそばで見守ってくれていると感じたほうが救われる。気が楽になる。そう思い込んで生きるのは自由なんだとこの作品は伝えている気がした。
私も自分は何かに見守られていると感じるときがあるので、見えない何かに心の中で毎日手を合わせています。
先日、テレビで江戸っ子爺さんがこう言ってた、「あの世は実に居心地が良いらしい。だって誰も帰って来たヤツがいねぇ」って(笑)・・・。
誰も見た事がないから、自分の都合の良い解釈で生きる糧にすればいい。
(宗教観ではない)
そして、愛し愛される人がいる。そういう人がいた・・・生きるというのはそういう事だから、けっきょくは「君はひとりじゃない」(原題はBODY)・・・という歌に乗せられたメッセージに私はヤラれた。








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