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『ペイン・アンド・グローリー』

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2020年6月21日、日曜日、大阪ステーションシティシネマの様子です。
本日は天気も良く、少しずつですが、シネコンに賑わいが戻ってきていると思います。
場内の座席は相変わらず間隔を空けて発売ですが、仕切りテープはなくなっていました。


『ペイン・アンド・グローリー』
解説:『トーク・トゥ・ハー』などのペドロ・アルモドバル監督がメガホンを取ったドラマ。生きがいを失った映画監督が、自身の過去と向き合う。『チリ33人 希望の軌跡』などのアントニオ・バンデラスが主演を務め、『あなたのママになるために』などのアシエル・エチェアンディア、『エンド・オブ・トンネル』などのレオナルド・スバラーリャのほか、ノラ・ナバス、フリエタ・セラーノ、ペネロペ・クルスらが共演した。

あらすじ:サルバドール(アントニオ・バンデラス)は世界的な映画監督として活躍していたが、脊椎の痛みで心身共に疲弊し、引退同然の生活を送っていた。彼は、母親のことや幼少期に引っ越したスペイン・バレンシアでの出来事など、過去を回想するようになる。あるとき、32年前に撮った作品の上映依頼が舞い込む。


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私は元々花粉症なので、冬季から春先にかけてはマスクを着用することが多かったのですが、今年は新型コロナウイルスの為にマスクなしでは外出できなくなった。するとマスクで隠れる部分のケアがルーズになるので、インディアン酋長にも負けんぐらいに鼻毛が伸びていて、風にそよいどった(汗)・・・。で、馬じゃあるまいし、さすがにうっとおしいので、先日おもいきってブチブチと抜いていたら、3本に1本の割合で白髪やったんで驚きましてね(爆汗)・・・。
私は頭髪がスキンヘッドなもんで、自分が白髪かどうか分からないし、普段は鏡もあんまり見ないから、自分が老いてる事が体の痛みでしか分からないんですわ。
しかし、すっかり老人ぽくなったアントニオ・バンデラスがオスカー候補に輝いた映画『ペイン・アンド・グローリー』を見たとき、題材がどストライクすぎて、合わせ鏡で自分の老いを痛感させられた。

絵の具をぶちまけたような、あの『ウルトラセブン』そっくりのタイトルバックで始まるこの映画、プールで潜水するサルバドール(アントニオ・バンデラス)の背中には縦に大きな手術痕があり、彼は水中で自分が幼い頃、川で洗濯する自分の母ハンシタ(ペネロペ・クルス)の逞しい姿とバレンシア地方の風景を思い出していた。
世界的な映画監督であるサルバドールの手術した脊椎の痛みは深刻で、すぐに横になりたくなる彼はいつの間にか無気力になり、周囲の心配をよそに、自らが「ただ生きている」と吐き捨てる実質引退状態で、無気力な日々を送っていた。

そんなサルバドールに、32年前に自分が撮った映画の上映会&コメンテーターの依頼が舞い込み、彼は撮影当時に仲たがいした俳優のアルベルト(アシェル・エチェアンディア)との再会を果たすんですね。
「時の流れが私を寛大にし、物の見方を変えた」というサルバドールは、32年ぶりに向き合った自作と主演俳優アルベルトを称賛し、大いに盛り上がるのですが、そこでサルバドールは興味本位から、アルベルトが常習するヘロインを初体験し、痛みを忘れ現実逃避できるヘロインに以後ハマってしまうんですね。

私は映画には相変わらずうるさいですが、結婚を機に、周囲からは劇的に人が変わったと言われた(爆汗)・・・。いつまでも爆弾のような人間じゃあるまいし、それなりに社会的に加工されて寛大になったらしい(爆汗)・・・。
でもね、自分が形成されていった核の部分は変わないし、だからサルバドールのように自分の幼少期に思いをはせる機会も増えているし、その当時の場所は今でも大切にしている。

アントニオ・バンデラスは私より5つほど年上だからボチボチ還暦かな・・・。
半世紀も人間生きるとね、ホンマに人に言えないような場面をみなさん抱えて生きていると思うんですよ。
「自分の幼少期の話なら、その辺のお涙頂戴の物語に絶対に負けてへん」という人が殆どやと思う。
どうして語れないのでしょうか?・・・私たちもサルバドールも。
なぜか人間は生きていくうえで、人には涙を見せたくないという生き物やからちゃいますか?・・・。


[2020年6月21日、『ペイン・アンド・グローリー』、大阪ステーションシティシネマ・スクリーン③にて鑑賞]


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監督であるスペインの巨匠ペドロ・アルモドバルの人生が投影された男の回想劇なんですが、この映画の主人公サルバドールに関する人生においての重要人物とは、オカン以外はみんな男性なのがこの物語の特徴。
自分の過去作から脚本を捨てて逃げ出したというアルベルトと向き合う事で、自分の映画も褒めてやることができたサルバドールの成熟だとか、数年間共に暮らした過去の恋人フェデリコ(レオナルド・スラバーリャ)との再会とか・・・二人は共にバイセクシャルみたいやけど、サルバドールが男色だという自らの性癖に目覚める瞬間も綺麗に描写されています。
(勉強が出来たサルバドールは、家の内装職人の若者に読み書きを教えていた。その青年の彫刻のようなヌードがモザイクなして映されます)


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長く生きていると、この映画のサルバドールのように、自分が幼きときに出入りの内装職人が書いてくれた絵に、巡り廻って再会できるような奇跡って、大小体験すると思う。
プロ野球で通算勝利数2位の、元阪急ブレーブスの米田哲也さんが仰っていたのは、「私は過去は振り返らない。そういう事する人は、もう人生終盤を意識して生きているから立ち止まってしまう」と。
私はこうしてブログで自分語りする事で過去は忘れつつあるんやけど、同窓会とか死ぬほど行きたくないくせに、自分が過去にいた場所は休暇のときによく訪れるようにしています。自分が失いたくない何かを確認するのに良い効果がある。前を向く為に。
そうして過去と向き合わないと、なかなか自分なりのグローリーは感じる事ができませんからね。



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私、昔から映画ファンとしてペドロ・アルモドバル監督には凄く興味があるのに、劇場で観る縁がなかった。
だから『私が、生きる肌』の面白さにぶっ飛んでからは余計に興味津々で。
今回、監督の映画では鑑賞2作目になった『ペイン・アンド・グローリー』も、途中からは時の流れが止まった錯覚で没頭することが出来ました。
アントニオ・バンデラスも、凄く良かった『ライフ・イットセルフ』の流れそのままに、この作品でも名演やった。

先日、あるアンケート調査記事で、「60歳の自分が、40歳の自分に言っておきたいこと」の1位が、ダントツで「運動せよ。筋肉をつけろ」だった。「そうしないと還暦になった時にやりたい選択肢が限られてつまらない」と。
この映画でペドロ・アルモドバル監督は、いくつかのメッセージの中でも同じような事を観る人に訴えかけている。
劇中のサルバドールやアルベルトは、返り咲く為に「鉄の意志が必要だ」と、懸命にドラッグを断ち切ろうとする。
そうしている間って多少は生きていてオモロい事もあるやろうし、何度もやり直せると私も思っています。
どう生きようが、年取ると痛いもんは痛いねんからね(爆)・・・。
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コメント

No title

こんばんは~。
うわ~、面白そう(^^♪
アルモドバル監督の作品は、TVでいくつか観ただけだけど、大好きです。アントニオちゃんも(^^)/
私も、同窓会は、出たことがないけれど、”過去にいた場所、、、自分が失いたくない何かを確認するのに良い効果がある。前を向く為に”って、すんごく、わかります。

あさん、毎度です。

あさんは情熱的っぽいアントニオ・バンデラス好きですよね。
先日のあさんの記事もそうやけど、私はどんなに泣きたい辛い事でも明るい話題に変えてしまうあさんを見習わなアカンなといつも思う。
基本的に泣きごとひとつ言わないあさんの周りは、自然動物ですらハッピーに見えますもん(笑)・・・。ユーモアと遊び心は地球を救うと、私はいつもあさんに教えられています。

No title

いつも情報有難う御座います。

この映画は絶対観に行きたいです。
もう上映をしていた事とアルモドバル監督の作品名も知らなかった!ゾンビマンさんのブログを読まなければ上映終了をしていたかもしれない(涙)

アルモドバル監督は大好きです。
25年以上前からから必ず観てます。
特に「トーク・トゥハー」何度も観ても良いです。

確かに朝一番の回が除菌もされていて良いですよね。朝一観に行きますね。
いつもありがとうございます。

ナフさん、毎度です。

この監督さんは良いですね。沁みます。
自分の生きざまをうまく映画にできる作家ですね。
若い人が見るとお尻がムズムズかもしれませんが、私は世代的にどストライクで、先輩に良いもの見せてもらったという感じでした。
こちらこそ、コメントいただきいつもありがとうございます。

No title

ペドロ・アルモドバルって「神経衰弱ぎりぎりの女たち」で話題になった頃から名前が覚えられなくて、
ずっと脳内で「アルモバドル」ってなってました(^^;)
フルネーム10回言えたら見事ですよね。

最近再見している80年代香港映画とスペイン映画ってどこか近いところを感じるんですよ。
残酷と笑いのギリギリのところで表現するところかなぁ。
この監督さんも年を重ねてどう変わったのか、ゾンビマンさんの感想を読んで気になって来ました。

最近、振り返りの多い私ですが、情けないことに忘れてしまってた事が多くてびっくりなんですが、その分、古い事に新鮮に反応してしまって、書いたものを読み返すと、自分の完成がけっこう昔の自分と変わってなくて笑えるんですけどね。
時々、過去の自分に教えてもらって進んでる部分もあるので、人生50年過ぎたら、ちょっと振り返ってみるのもアリだと私は思ってます。
そこから戻って来れなくなるのはアカンと思うけどね。

No title

再び!
「感性」と言いたかったのに「完成」になってます。
オハズカシイ。

ぽんぽんさん毎度です。

ふたつまとめてありがとうございます。
私は名前覚えるのがめんどくさいので、私の中ではペドアルになってます。
お国柄が似ていると映画で感じることはありますね。大阪とパリの感覚は似ていると思うし、大阪人の嫌われ方は来日してた中国人観光客に近い(爆汗)・・・。
年を重ねると、やはり寛大になっていくのが普通やと思います。その分、こだわりが薄くなるんやけど。

鼻毛で、歳を読む

兄貴、鼻毛の白髪の割合で、年取ったんだなぁって。なかなかじんわりきます。アントニオ・バンデラスも、本当にいつのまにそんなに年取った?とおもったけど。いい感じでギラギラしたとこなくなって、またいい作品にでてますね。同窓会には行きたくないけど思い出の場所はめぐるというのも、わかる。語れるエピソードより、あの日の光景がみえるのがいい。私も筋肉つけとかないと。歩けなくなりそう。

キモサベ毎度!

キモサベは足細いし小さいから、足に合わせてボディ作らないと腰とかにくるよ。
軽くジャンプしてみて、あちこちブルルンとするなら、それは余り肉と脂やから、頑張って落とそうぜ。
まだまだ行きたいダムあるでょ?
いくつになっても、ちゃんと自分と向き合って、鉄の意思で頑張って健康をキープすれば、人生は楽しめるという映画でした。

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Author:ゾンビマン
大阪の映画ファンです。資料・画像を中心に映画を紹介するつもりが自分語りしてたりするからご用心を・・・。

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